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野蛮人のテーブルマナー【書評】

【本の目的】

筆者佐藤優の外交官時代のインテリジェンス活動の経験をベースに、「どのようにすれば、正確な情報を入手し、更にその情報を精査し、そして、こちら側にとって有利な状況を作り出すことができるか」(P.7)というテーブルマナーを紹介すること

【目次】

第一章 野蛮人のテーブルマナー ~情報戦を勝ち抜くテクニック~

第1回 インテリジェンス式接待
第2回 情報源(ソース)の見つけ方
第3回 酒、賭博、セックスの使い方
第4回 赤ワインの2つの顔
第5回 ロシア式懲罰
第6回 暗殺工作のテーブルマナー
第7回 インテリジェンスの記憶術
第8回 組織の中での生き残り方
第9回 相手の知的水準の見抜き方
第10回 AV(アダルトビデオ)業界に学ぶ組織論
第11回 ロシア式飲酒術

第二章 外交は究極のビジネススクール 佐藤優×鈴木宗男

・トップと会うには?
・トップ会談をセットアップせよ
・トップに仕えるノウハウ
・「バカ話」の大切さ
・「挫折からのリカバリー」

第三章インテリジェンス対談 佐藤優×河合洋一郎(国際ジャーナリスト)

(略)


【本文中の気に入った箇所】

”キーパーソンを初めてレストランに連れて行くときは。超高級店を選ぶ。~~中途半端な「安めし」は意味が無い~~中途半端なメシを3回するよりも5万円で1回、相手
の印象に強く残るような食事を奢るのが効果的だ”
これは

「わたしはあなたをこれくらいたいせつにしているんです」
「わたしにはこれだけのカネを使う権限を組織から与えられています」

という2つのことを示すのが目的らしいが一般人の使い道はどうか。悩むところではあるが、仕事上で手にしたい人ならそのまま、口説きたい異性に対しては「メシ」をデートに置き換えて金額以外のインパクトという意味で再解釈すれば利用可能だと思われる。


”実は相手が食事に応じたということで工作は50%成功しているのであるが、自然に次回の接触を約束するためには物の貸し借りをすることが小細工としてよく行われる~~相手が断ることの出来ないような小さな物を「貸してくれと」頼むのがコツだ~~「あなたにあげる」と言ってもそんなことはできない」と遠慮する素振りを見せ、必ず借りることだ。こちらは遠慮しているのではなく、借りたものを返すという口実で3回目の接触を確保しようとしているのだ。”
これは使いやすいかつ、2回目だけでなく3回目にもつなげられるのでとても良いと思う。


”インテリジェンスの世界では、動物行動学(エソロジー)の知識も重要だ。動物は警戒している動物と同じ餌箱からエサを食べることを嫌がる。人間も嫌いな人とは一緒に職をしたくないという心理がある。それを逆用して、一緒に食事をすることで、「あなたにとって私は危険な人物ではない」ということを深層心理に徐々に刷り込んでいくのが食事工作の基本だ。筆者の過去の経験則からすると、同一人物と3ヶ月以内に3回以上、食事をすると、アルコールを伴わなくても、一応の信頼関係はできる。”
半分当たり前のようにも聞こえるが、食事を共にする機会を創出して信頼を得るのはとても良いと思う。最初に2人でというのが難しくとも、複数で卓を囲むことも可能な訳だ。
”(AV産業は)細胞と一緒で、生まれてから死ぬまでがパターン化しているでしょ?だから続くんですよ。一人の子を永久に生き残らせようとすると、永久に生きる細胞って言ったら癌しかないんだから。癌化していくんですよ。~~AV業界はシステムとして見た場合に、生物・有機体的なモデルなんですよね。だから永続する。~~個々のAV嬢には終わりをつけること。これは永遠に続くっていう、余人をもって代えがたいって感じをもつと癌細胞が生まれる。官僚の場合それが顕著で、余人をもって代えがたいと思いたがると。だから癌細胞化するんですよ。逆に個々のAV嬢や官僚に終わりをつけ、新しい細胞を迎え入れることができるようにするとそのシステムは永続する”
極めて面白い観点からの組織の見方だと思う。確かにAV業界の入れ替えりつつシステムとしては安定していることは見習えることがある。



その他
・不満分子に対してアプローチ、認知欲をくすぐるとなおさら良い
・「人柄を知るのに茶なら1念、酒なら1ヶ月、賭博とセックスなら1時間」
・相手が酩酊して漏らした秘密情報について、素面になってから確認しない(ガードが固くなる)
・酩酊した上での相手の醜態を決して非難しない、ひどい目に遭っていても「いや、全然問題ないよ。愉快な酒だった」と答える
・本当に知りたいことが1つしかない場合、それ以外の質問を4つ仕込んでおき、こちら側の真の関心事を隠蔽する
・会話とちょっとした情景を結びつけて、インデックスをつけて覚える
・組織に抗うものは必ず潰される、生き残るためには告発者の側に回ることだ
・偽情報を掴まないために、こちら側で確認できるような引っかけ質問を入れておく
・強い酒(ウォトカやジン)からワイン・日本酒、ビールで締めるという通常の逆をやると酔い潰すことができる
・トップと会うにはトップにいつでも会える人と友達になる

【感想】

半分以上は、面白おかしく外務省やロシアの事例を紹介しているだけなので中身が濃いわけではなかったが読みやすく納得できることもいくつかあった。大体普段の生活で無意識に使っているのではあるが、意識的にこれからは利用出来そうである。また、相手の人柄や人間関係といった情報も外交において極めて大切であることを痛感した。自分も人付き合いの中でしっかり見極めながら立ちまわることを意識していきたい。
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