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断る力【書評】

勝間和代氏の『断る力』を読了しました。


勝間和代氏自身が優秀な方なのは分かるのですが、取り巻きのせいなのか露出度のせいなのか本を読む気にはなかなかならないのです。しかし、佐藤優氏が『僕らの頭脳の鍛え方』
「勝間和代氏は新自由主義者ではない、資本主義に対抗して、新自由主義の行き詰まりに対して、現実に足がかり手がかりがある形で、内部から変容していく処方箋を提示している」
と評しているのを見て面白そうだったので読むことにしました。

【要約】

自分の中に揺るぎない自信を醸成し、他人との同調圧力に負けないようにする。そして、他人の都合に合わせて生きるのを「断り」、生産性を向上させ、自分の生き方に合わせてスペシャリティを身につけていくことでコモディティ人材から抜けだそう。断ることによるデメリットはせいぜい嫌われるくらいだが、それも「断る」ことによって起因することは少ない。また、人間全員に好かれて生きていくのは難しいので、最低限の注意を払った後は割り切るしかない。

【本文中の気に入った箇所】

「事実なんてない。あるのは認識だけだ。」
「自分が正しければ、いつかは周りが認めてくれる。自分さえしっかりしていれば、最終的に周りが助けてくれるなんて大ウソ。相手が読心術を持つエスパーでない限り、あなたが言葉を使って言わなければ絶対分からない」
→恋愛や交友関係においてもそうだと非常に納得。残念ながら言葉にしなくてもわかってほしいという素朴なお願いというのは、無理だという認識から出発したほうがよさそうですね。言わないで破綻していくよりも、言ったほうがいいですね。

「相手の要請を断るときこそ、相手の立場を考え、相手の気持を自分の気持ちのように大事に考えるのです。それが出来ない時点では、断る権利がないと思っています。」
→断るときは威圧的になりがちなので、気を付けないとですね。


「断らないことのモノは深く考えなくてすむこと」
→思考停止への誘惑はそこここにあるので、気をつけないと。「本当にそれはやる必要があるか」「自分がやる必要があるか」は常に考えないと。その後にチップを定額、サービス料に込みにしてほしいと日本人は考え、思考をサボりたがると書いてありましたが少し納得ですね。(無礼なことをしたくないという方が大きいとは思いますが)


「私たちは自分の扱い方を人に教えている」
→下手に出る人は下手に扱われるように、自分の行動によって人からの扱われ方が変わる


・苦手な人にはあだ名をつけて楽しむ
・カチンときたら「ちょっとトイレ」
・わがままを言うときは身体を微妙に揺らす
(本文中の『人づきあいのレッスン -自分と相手を受け入れる方法-』のからの引 用を更に引用)

【雑感】

勝間和代氏に対する印象が良くなりました。出典が不明確なデータ等が多々あったものの、極めて論理だった筆致で、厳しい競争社会を生き抜く方法を理想と現実のバランスを取りながら描いていました。私は比較的「断ったり」、人に意見を言うことができるタイプなのですがもっと臆せずに言うようにしようと思うと同時に、「断る」ことへの配慮や無駄に嫌われないような配慮もしていかなければならないと思いました。
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ホワイトハウス・フェロー -世界最高峰のリーダーシップ育成プログラムで学んだこと-【書評】

ホワイトハウス・フェロー -世界最高峰のリーダーシップ育成プログラムで学んだこと-
を読了しました。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4478011869/ref=cm_cr_dp_see_all_btm?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=bySubmissionDateDescending

ホワイトハウス・フェローとは

アメリカ第36代大統領から始まった制度で、アメリカの有能な若者を合衆国政府に送り込み、大統領補佐官、副大統領、閣僚などの政府高官のアシスタントととして1年間の現場で働かせる制度です。

本文中の気に入った箇所

①レーガン大統領の下で国家安全保障担当の大統領補佐官を努めていた、コリン・パウエルが週末のバーベキュー・パーティーに出ていた時の話。ミッチェル・ライス元フェローがパウエルが部下に気遣いのできる偉大なリーダーだったことを振り返って話している。パウエルは当日早い時間から来て準備を手伝い、スタッフの家族一人一人にも声をかけていた。

「私たち夫婦にも歩み寄り、話しかけてくれた。私の名前をちゃんと覚えていただけでなく、妻のエリザベスにも『はじめまして』と挨拶し、ご主人に長時間残業させるのを大目に見てくれてありがとうとお礼まで述べた。あなたも国家安全保障会議のファミリーの1人ですよと、パウエル補佐官は妻に言った。この短時間だが人間的な触れ合いは、妻に強烈な影響を与えた。妻は私にささやいた。『あの人のためにしっかり仕事をしなきゃだめよ。仕事で夜遅くなっても、ぜったいに文句は言わないから』」
②ルイス・オニール元フェローがパウエルの下で働いていた時に言われたこと。

「部下を大切にしなさい。そうすれば、部下もあなたを大切にしてくれます」


「どんなに頭がよくても意味が無い。ワシントンには、頭のいい人間はいくらでもいる。大事なのは、人々にどういう感情をいだかせるか。リーダーが成功するかどうかのカギを握るのがその能力だ。自分の有能さを見せるける必要などない。リーダーに必要なのは、部下とコミュニケーションを取り、部下のやる気を引き出し、部下に気を配り、参加意識をもたせることだ」

雑感

ホワイトハウス・フェローについての起源と成り立ち、成果などを知ることができた。ただ、制度についても良いことしか書いていないのは事実だと思う。実際の運用上の問題は山ほど本当はあるのだろう。しかし、高い成果を上げて、最高の人財を生み出していることは疑い得ない。アメリカのリーダシップ教育への熱意が感じられた。日本はリーダーシップについては教育は無く、誤解と偏見があるので今すぐ導入するのは難しいとは思うが、ぜひ導入してほしい。

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